1996年夏号(通算第6号)

 暑中お見舞い申し上げます。
 「ひまわり」は、弁護士バッチのデザインです。このことからNHKの朝のドラマの題名になったのでしょう。ヒロインはまだ弁護士になる前の司法修習生ですからバッチはJの文字をデザインした物で、見ようによっては双葉のようにも見えます。
 私が修習生だった当時、東京弁護士会会長へ、「広範なる知識の積み重ねと、高度な判断力を要する業務であることを修習させていただき云々」との謝辞を起案朗読した事を思い返しました。
 若手弁護士の勉強会から、国際案件について、独立についてなどの講師を引き受ける身となりましたので、どうやら私も一人前の弁護士になってきたようです。「ひまわり」バッチを汚さぬように、何時もお日様に恥じない陽に精進したいと思います。  平成8年夏  湯川

パブリシティー権
=著名人の肖像・氏名のお話=

 ★5月の連休に環太平洋法曹協会(IPBA)による研究会に出席することが年中行事となりました。本年の開催地はマニラでした。
 写真屋がパーティーの際に歓談中のスナップをとることはよくあることです。ところが、翌日、現像した写真を週刊誌大に拡大し、「タイム」や「ニューズウィーク」という著名週刊誌の表紙そっくりの枠とりをして「特別号」なる文字まで入れてあるので、あたかも湯川弁護士が「タイム」にの表紙を飾ったがごとくです。もちろん、私の写真だけが「特別号」ではありません。写真屋は撮影した人物を見つけて「特別号」を高く売りつける訳です。
 冗談であることはわかるのですが、世界中の弁護士が集まる会場ですからいくつかの話題を提供します。@雑誌名に権利性があるか、A著名な雑誌表紙の不正競争防止法違反ではないか、BIPBAなるロゴは事務局が使用許諾したのか、C本国に持ち帰って税関に見せたら輸入差し止めになるか、D弁護士には、パブリシティー権があるのか、云々。日本法で考えても難問ですが、各国でそれぞれ権利保護の内容が異なるのです。
 さて、私は前述のランキング入りした先輩方の世代と弁護士大増員世代の中間にいます。私は、国際取引及び外資系会社顧問を専門とする法律事務所で育ち、独立してからは破産管財人業務を含む倒産法関係まで活動を広げてきました。今後は、良い新人がいればバランスある弁護士に育てられるように事務所の受け入れ体制を整備し、また、国際取引、経済法、倒産法のどれかで前述の弁護士ランキングに入りたいと思います。 (湯川)