1998年冬号(通算第8号)
一罰百戒
各界の不祥事が噴出している昨今、検察ファショ等とも囁かれていますが、さにあらず。
一罰百戒とは、本来は一つ罰して百の悪を予防する意味と思いますが、実は百の犯罪に一だけ検挙するの意と、大差ありません。詐欺、不正競争防止法違反、独禁法違反、知的財産権侵害等の被害者が告訴して、かえって、取り調べだとか裁判だとかで、さながら二次災害です。
道義に反して責任を回避できる方法とか、犯罪をしても検挙されない方法とか、の心得違いな法律相談もそれが原因で出てきます。それを稼業と応じる弁護士もいるとか、あちらこちら探し回る悪人もいます。
検察官ならば検挙に血眼になったろうけれど、私は弁護士だから、罰する前に悪事を防止することを目指します。 平成10年節分 湯川